名古屋高等裁判所 昭和25年(う)202号 判決 1950年7月18日
被告人
中島四郎
主文
本件控訴を棄却する。
理由
弁護人友松千代一の控訴趣意について。
論旨の前半は原審は被告人に対し公判審理の最終に陳述する機会を与えなかつたと非難するものである。よつて原審公判調書を調査検討するのに、同調書には被告人に対し刑事訴訟規則第二百十一條に定める陳述する機会を与えたとの記載はない。しかしながら右の陳述する機会を阻止したと認められる何等の形跡も存在しないのであるから、所論の如く右機会を与えなかつたと断ずることはできないのである。